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もうすぐ、お盆ですね。
今年は梅雨が長かったせいかお盆がやってくるのがすごく早い気が
さて、今日は大学の英語受験改革のお話を少ししたいと思います。
アクティブでは、主に幼児から小学生、
でも、大学受験の仕組みが変わると高校の英語指導内容が変わります。
それに
こんな風に順繰りにしていくと、最終的には小学校向けの英語教育にも影響が出てきますので、
1989年というバルブ絶頂期から始まった「センター試験」は、いよいよ今年度で最終年となり、2020年度からは「大学入試共通テスト」という名称に変更されます。
共通一次 → センター試験 → 共通テスト
という感じで、ちょっと昔に回帰してしまったみたいでややこしいのですが、英語の試験については、もちろん?旧式の出題には回帰しておらず、近年至るところで叫ばれている、
「英語4技能(reading speaking listening writing)」
をまんべんなく見ていこう!という目的に向かって出題方法や内容を改訂していくということになっています。
筆記200点のなかには、読解だけでなく発音やアクセントをたずねる問題があったり、文法をたずねる問題なども全体の3割ぐらいあるために、Reading 80% というのは語弊があるかもしれませんが。
いずれにしても、英文法や英文読解能力を測る出題にかなり偏ったテストであるということは言えると思います。
これが、共通テスト(新テスト)になるとどうなるかというと・・・・。
Reading 50% Listening 50%
リスニングの配点が倍の100点。リーディングも100点になります。
その他の変更点としては、リスニングの読み上げが今までは2回だったのに対して1回のみとなる。
問題文も含めてオール英語にする。
文法のみの問題は消滅させる。
という点が大きな変更になるそうです。
・・・・・あれ? スピーキングとライティングは???
と思ってしまいますよね。
あれだけ、4技能、4技能、って騒いでいる割には、やっぱり共通テストにはspeakingテストとwriting問題は出せなかったようなのです。
英検4級と5級のテストでも、スピーキング問題が新たに設置!!
なんて騒がれましたが、最終的・・・というか現段階ではまだ、
「ただし自宅でPCに向かって話してもらいます」
「ただし合否には関係ありません」
という、オマケのような存在になってしまっています。
英検にしても、共通テストにしても、どちらも
「スピーキング力・ライティング力を公平にジャッジすることの難しさと、ジャッジするためのコストがかかりすぎる」
という大人の事情? が見え隠れしているような気がします。
わたしの考えですが、4技能とは言っても、speaking と listening。そして reading と writingは、それぞれが基本&応用のような存在になっていると思います。
母語を覚えていくときも、まずはリスニングから。
リスニングという「基本」ができてくると、発話(スピーキング)という「応用」に繋がってくる。
同じように、いきなり作文は書けないので、まずは簡単な文章を読む(リーティング)するところから勉強をしていく。
そのうちに、短い作文や日記を書くなどの応用(ライティング)を出来るように勉強していきます。
だから、大学のような高等教育を受けるための入試問題であれば、本来は「応用」に当たるスピーキングとライティング問題を中心に設問をすべきなんだと思います。
ですが、共通テストでは最終的には、
「リスニング問題を増やすよ。だから4技能まんべんなく、筆記偏重を解消させたよ」
という形で決着。
「スピーキングとライティングを見たい場合には、民間の英語試験の点数を加味させてね」
ということになったんですよね。
今は大学によって、民間試験の点数を審査するかどうかの対応はバラバラです。
民間試験の点数を見ること自体は、悪いアイディアではないと思うのですが、せめて試験料を下げるとか、補助を出す等の配慮は欲しいなあ・・・と思います。
導入当初は、混乱が予想されるために、この時期の受験生は本当に可哀そう。
・・・ですが、今回の教育改革の目的自体は、現代に合ったもので、非難や批判をされるようなものではありません。
政府広報による新学習指導要領によれば、今回の教育改革については、以下のような背景に基づく改革だ、としています。
・世の中の変化は過去に比べることが出来ないほど早くなっている。
・進むグローバル化やAIの登場で今後、今、わたしたちが行っている仕事の半数近くが自動化されて、今の子供たちが大人になったときには今ある職業の半数は存在しなくなっている。
・このような時代背景のなか、自ら課題を見つけ、自ら判断して行動し、より良い社会や人生を切り開いていく力をつけていくための教育が必要である。
わたしたちのような、民間の英語教育サービス提供者に、どこまでこうした教育目標や教育改革に沿ったサービスが提供できるのか・・・・。
少なくとも、グローバル化という点において、語学だけでなく異文化を柔軟に受け入れる力や、英語で自分の考えを発信できるように、ということをもっと大切に考えることはできるのかな、と。
民間のスクールはどうしてもスポンサー(保護者)の意向に左右されるために、テストの点数アップのみに注視してしまいがちですが・・・・。
出来る範囲だけでもいいので、こうした教育改革の目的や趣旨を理解・支持した上で、英語教育という分野で、子供たちのサポートができるようになれば良いな、と思っています
Aug 08, 2019 | 850 | 英語教室&先生向け記事