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塾や教室に「教育理念」や「塾の訓示」は必要でしょうか?

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大きな会社や学校などでは、たいてい「社訓」だったり「教育理念」がありますよね。

 

立派すぎる理念は、正直、下々の私たち?には届きにくいものですが、例えば有名な宝塚歌劇団の「清く、正しく、美しく」なんていうフレーズは語呂も良くて覚えやすく、なによりタカラヅカの特長を上手に出しています。

 

先日は、「教育理念」ならぬ「塾訓=塾の教育理念」を拝読する機会がありまして、こちらも、アイディアが面白いなあ・・・・と思いました。

 

 

何が面白いか、というと、「社訓ならぬ塾訓」を作ろう!というアイディアが、なんだかとっても男性的だなあ、と思ったからです。

 

社訓や企業理念というのは、偉大な創業者がやがてリタイアしたときに、事業だけでなく、その経営者の哲学も受け継がせていきたい・・・という想いから発祥したものなのかなあ、と思います。

 

特に終身雇用制度が根付いていた日本では、家訓と同じように「社訓」があって、全体で企業理念を共有させるためにそれを活用してきたのでしょう。

 

 

私立学校においても、やっぱりその創始者が「なぜ、私はこの学校を立ち上げたのか」という想いを「教育理念」に託していることが多いです。

 

例えば、福沢諭吉氏が創設した慶應義塾大学の教育理念は、以下です。

 

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慶應義塾は単に一所の学塾として自から甘んずるを得ず。其目的は我日本国中に於ける気品の泉源、智徳の模範たらんことを期し、之を実際にしては居家、処世、立国の本旨を明にして、之を口に言ふのみにあらず、躬行実践、以て全社会の先導者たらんことを欲するものなり

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※参考 慶応気塾大学サイト、理念のページ 

 

 

ちなみに、上記は「これは慶應義塾の真に目的とするところを最も簡明に言い表した一文」なんだそうですが、ちっとも簡明とは思えない私は、まだまだ学が足りないようです。。。

 

 

 

かっこいい社訓や、おお!と共感できる企業理念を見ると、小さな塾や個人英語教室であっても「そうだ!塾訓を作ろう!」と思い立って、試行錯誤しながら、自分で納得できる箇条書きの「塾訓」を作文したくなる気持ち、分からなくはないです。

 

塾の教育理念や、建塾の精神、なんていうものも、ないよりはあったほうが良いと思います。

 

前回も、スクールコンセプトを見直そう! というタイトルで記事を書いたばかりですし、スクールコンセプト、つまりは学校の理念ですから、ね。

 

 

 

それなのになぜ「なんだか、男性的だなあ・・・・」と、ちょっと距離を置いた感想を持ってしまったのか、というと・・・・。

 

やっぱり塾訓とか、教育理念、みたいに掲げてしまうと、どうしても必要以上に「かっこつけ」てしまいがちなんじゃないかなあ、と思ったからです。

 

 

私が拝読した塾訓の一部なのですが・・・

 

■全従業員が生徒・保護者を幸せにし、生徒・保護者の笑顔で全従業員が幸せになる。

 

■生徒が自分の存在意義を感じられる場にします。

 

 

もちろん、上記のようなことはどの塾においても、あるいはどの教育現場でも大切なことだし、素敵なフレーズだなあ、と思います。

 

 

ただ、(偏見になるかもしれませんが)女性の場合には、こういった

「どうだ、これが教育理念だい!!!」

みたいな明文化をすることは無しに、

「社風」「教室風?」という形で、無形の風習を受け継いでいくことに長けているのかもなあ、と感じます。

 

 

そして、現代の教室・会社運営では、そういった「社風」の受け継ぎの方が、「社訓を朝礼で読み上げる」方式よりも重視されるべきなのかな・・・・と。

 

例えば、ディズニーランドでは、アルバイトスタッフが、愛社精神に優れていて情熱を持って仕事にあたっている、ということでよく経営本などでも取り上げられていますが、あれも「社訓」を暗唱する、というやり方ではなくって、先輩アルバイター、といった近い存在の人から、その就業精神を受け継いでいっているのだと思います。

 

 

 

そう考えると、「教育理念」とやらを考えるよりも、「自分の意図した教室の雰囲気」や「生徒たちに根付いている共通した考え方」を作っていくことっていうのは、バーンと理念を打ち出すよりも結構大変なことなのかもしれませんね。

 

 

もしも、これをお読みいただいている方で、自塾の教育理念や、スクールコンセプトをどうすべきか、悩んでいる方がいらっしゃいましたら、少しヒントをお伝えします。

 

それは、「これは、教室を運営していく上で、譲りたくないな」とか「私、ココにはこだわっているかもしれない」と思っていることがあれば、それが理念に通じるところだということです。

 

 

例えば、アクティブ英会話の場合には、

 

「先生の立場、生徒(保護者)の立場で、納得がいくかどうか」

 

・・・というのを基準に運営を行う、というのが「運営理念」に相当するものではないかな、と思っています。

 

 

■自分が先生だったとしたら、これぐらいの仕事量に対して、これぐらいの報酬ならば納得できるかな、と思える報酬設定にする。

 → 月謝に対して講師コストが〇%だから・・・・といった計算よりもまずは、自分が先生だったら、という立場で設定しています。

 

■自分が生徒だったら、このシステムは納得いかない、というシステムは作らない。

 → システム作りにも基本的には数字や収支計算は出てきません(^^;)

 

 

これが、良いかどうかは別として、クレームが入ったり、色々なイレギュラーな出来事があったときに、上記のような判断基準でもって、

 

「ちょっと規則外だけど、〇〇さんの言っていることは理解できるから、こうしよう」

とか、

「それは、生徒の立場からは納得いかないから、〇〇と伝えよう」

 

といったように、そのときどきの対応方針をスムーズに決めていくことができます。

 

 

前回の「スクールコンセプトを見直そう」の記事内容とは、一見すると相反することを言っているようですが、スクールコンセプト=自身のこだわりは必要。

 

ただし、美辞麗句でそれを飾る必要なない、ということをお伝えしたかったのですが、伝わりましたでしょうか??

(もちろん、アルバイト先生や生徒の方皆さんにお伝えしたいような教育理念がありましたら、それを教室の目立つところに掲げたって、全然悪いことではありませんよ!)

 

 

ちなみに、最後におまけです。

 

新札に採用された津田梅子さんの教育理念は、以下のようなものであったと紹介されています。

 

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男性と協同して対等に力を発揮できる女性の育成

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※参考 津田塾大学サイト 津田塾の歴史ページ

 

福沢さんのそれに比べて、なんて明快でシンプル!

 

やっぱり、津田さんも女性ならでは、「立派な理念」よりも「脈々と受け継がれる風習」派なのかなあ、なんて感じました。

 

 

 

Jul 09, 2019 |  1151 | 

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